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面接時に「聞いてはいけない質問」とは?~面接官が知っておくべきNG事項~

2025/07/16採用ノウハウ

面接時に「聞いてはいけない質問」とは?~面接官が知っておくべきNG事項~

はじめに
高校新卒者を採用する際、企業側は若い人材のポテンシャルや意欲を見極めるため、面接を通じて多くの情報を引き出したいと考えるものです。しかし、面接での質問には、法律やプライバシーの観点から「聞いてはいけない」内容が存在します。これらに違反すると、差別的な取り扱いと見なされ、企業の信用を損なう恐れもあります。今回は、高校新卒採用におけるNG質問と、その背景について解説します。

■ なぜ「聞いてはいけない質問」があるのか?
文部科学省・厚生労働省は「校正な採用選考の基本」という観点から、応募者の適正や能力と無関係な事項を選考基準に用いることを禁止しています。これは、差別の排除と個人の尊厳を尊重するための取り組みであり、企業にとっても健全な雇用環境を維持するうえで重要です。

■ 面接で聞いてはいけない主な質問例

1.本籍・出生地
・NG例:「ご出身はどちらですか?」「本籍地はどこですか?」
・理由:地域差別につながるおそれがあるため

2.家族構成・職業・収入
・NG例:「お父さんのお仕事は?」「ご兄弟は何人いますか?」
・理由:本人の資質とは無関係であり、家庭環境による差別のおそれがあるため

3.宗教・支持政党
・NG例:「宗教は何を信仰していますか?」「政治に関心はありますか?」
・理由:思想・信条の自由を侵害するため

4.生活状況や資産
・NG例:「自宅は持ち家ですか?」「アルバイトはしていますか?」
・理由:家庭の経済状況を選考基準にしてはならない

5.結婚・出産の予定
・NG例:「結婚のご予定は?」「将来、子どもが欲しいですか?」
・理由:性別による差別や将来予測に基づく不当評価にあたるため

■ 法的トラブルにつながった実例
ある地方企業では、高校生の採用面接で「家族構成と父親の勤務先」を尋ねたことが、後に保護者経由で教育委員会に通報され、求人票の受け入れ停止処分となりました。企業としては「地元密着企業かを確認したかった」という意図だったものの、結果的に「家庭背景による選別」と判断されました。
このように、たった一言の質問が企業の信頼と将来の採用活動に大きな影響を及ぼすリスクがあるのです。

■ 高校新卒採用における「正しい聞き方」と面接設計

☑ 聞くべきことは「過去の行動」や「志向性」
面接で評価すべきは、以下のような本人の「能力・適正・意欲」に関わる内容です。
・学校生活で力を入れたこと(部活動・委員会活動・資格取得など)
・目標に向けて努力した経験
・困難に直面した際の行動
・社会人としてのマナーや責任感

☑ 「YES/NOで答えづらい質問」を避ける
未成年かつ就業経験のない高校生には、抽象的な質問よりも、具体的なエピソードを引き出す質問が適しています。
・NG:「あなたの長所と短所を教えてください」
・OK:「部活動で工夫したことや苦労したことはありますか?」

■ 採用担当者が守るべきポイント

1.「適正・能力」に関係する質問を中心に
 例:「これまでに取り組んできたこと」「チームで活動した経験」など

2.履歴書の記載内容を尊重
 家族構成など不要な記載がある場合も、深堀りしないことが大切です。

3.社内研修の実施
 面接担当者全員に対して、公正な選考に関する研修を行うことが望まれます。

まとめ
高校新卒採用は、将来の人材育成の第一歩です。だからこそ、応募者一人ひとりの人権を尊重し、公正かつ適切な面接を実施する姿勢が求められます。「聞いてはいけない質問」を正しく理解し、採用の場でのトラブルを未然に防ぎましょう。それが企業の信頼と健全な職場文化を築く礎となります。


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