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【後編】初めての高卒採用戦略—成功の型をつくるステップガイド

2025/11/12採用ノウハウ

【後編】初めての高卒採用戦略—成功の型をつくるステップガイド

学校の先生・保護者・生徒それぞれに「この会社なら安心して任せられる」と思ってもらうには、魅力の“言語化”と“見せ方”が欠かせません。後編では、自社の強みを整理して打ち出すためのフレームワーク(3C/SWOT/クロスSWOT)と、内定後〜配属初期の支援体制づくりまで、実務に落とし込める手順でまとめます。

自社の長所を棚卸しする(先生・保護者・生徒の三者視点)

まずは「何を伝えると心が動くのか」を三者ごとに切り分けます。

  • 先生:安全性/教育計画/コンプライアンス/連絡のしやすさ
  • 保護者:生活環境(通勤・寮・食事)/給与と手当の見通し/成長とキャリアの道筋
  • 生徒:先輩のリアル(1日の流れ・配属例)/学べること/達成感がある仕事の場面

この“関心マップ”を起点に、3CやSWOTで情報を構造化すると、求人票や学校説明での訴求ポイントがぶれなくなります。


3C分析で「どこで勝つか」を定義する

3Cとは Customers(市場・顧客)/Competitors(競合)/Company(自社) を軸に状況を捉える方法です。採用に置き換えると、“誰に・何と比べ・何で選ばれるか”を明らかにできます。

2-1. Customers:市場・対象層を読み解く

見るポイントの例

  • 学生数・志望動向:地元就職の志向、人気業種の変化、部活・資格などの強み。
  • 意思決定の基準:勤務時間のわかりやすさ、教育の手厚さ、配属の見通し、生活支援。
  • 離職に至る背景:人間関係の不安、仕事内容のギャップ、通勤負担、評価が見えない等。

情報の集め方

  • 学校訪問でのヒアリング(進路指導部への定点質問票)
  • 新入社員・内定者アンケート(承諾理由/不安点/比較先)
  • 1年目面談のログ(離職兆候の早期検知)

2-2. Competitors:比べられる相手を具体化

同業他社だけでなく、別業界・公務員・進学も比較対象です。
比較観点の例:初任給と手当、勤務シフト、配属までの期間、教育プラン、寮・通勤、福利厚生、説明会や職場体験の質、SNS発信、プレスリリースのキーワード等。
面接で他社名は出づらいので、内定辞退時のヒアリング入社後アンケートの“最後まで迷った選択肢”OB・OGからの現場情報で補完します。

2-3. Company:自社の素材を“伝わる形”に

求人票、採用サイト、会社HP、見学プログラム、教育計画、評価制度、先輩紹介…ばらけた情報を一枚の資料にまとめます。

例:先輩の1日、写真・動画、数字(育成実績・定着率)

伝えるメッセージ:どんな成長体験が得られるか
その他事例:教育の流れ(初月〜90日〜1年)、配属実例、資格支援、評価・昇給の仕組み


・SWOT分析とは…
SWOT分析で“強みを活かす打ち手”に変換する

SWOTは Strength(強み)/Weakness(弱み)/Opportunity(機会)/Threat(脅威) を整理する枠組みです。採用版の例を挙げます。

強み(例):面倒見のよいOJT、寮・送迎、資格取得支援、地元での知名度
弱み(例):配属の見通しが曖昧、評価基準が言語化不足、広報素材が少ない
機会(例):地域産業の雇用拡大、探究学習やインターンの拡大、通学圏の再編
脅威(例):給与相場の上昇、保護者の県外志向、労働時間への厳格化


作り方のコツ
現場責任者・人事・若手・広報・安全衛生など、部門横断で付箋出し→クラスタリング。採用は全社の総合格闘技なので、多視点での棚卸しが精度を上げます。SWOT分析とは、下記の言葉の頭文字をとった言葉です。

クロスSWOT使って自社のアピールポイントを整理する!
<強み・優位性>
 ・)面倒見の良さ+学校の探究学習拡大 → 授業連携の職場体験プログラムを提供。見学を“体験”へ格上げし、先生の評価指標にも合致。

<弱み・課題>
 )安全文化+労働時間への社会的関心 → 安全教育の可視化(カリキュラム、修了バッジ、動画)で差別化。保護者の安心材料に。

<機会・チャンス>
 )広報素材不足+SNS活用の浸透 → 先輩1日密着の短尺動画/ルーティン投稿を量産。採用サイトとQRで連動。

<脅威・リスク>
 )配属の不透明さ+人気業種への流出 → 配属ロジックと異動基準を図解し、入社前から個別面談で希望調整。ギャップ離職を予防。

これらの要因を整理することで、企業は内外の環境をより明確に把握し、適切な戦略立案やリスク管理を行う基盤とすることができます。

SWOT分析に基づいて、自社のアピールポイントや戦略を見つけるために、内部環境の強みと弱み、外部環境の機会と脅威を掛け合わせて具体的な戦略を導き出していきましょう。
ここでは「クロスSWOT分析」を用います。

・強み×機会=自社の強みと機会を最大限に発揮する
・強み×脅威=強みを活かして、脅威において差別化を図る
・弱み×機会=弱みを克服して機会を活かす
・弱み×脅威=弱みと脅威による最悪な結果を回避する


特に押さえておきたいのは 強み×機会 と 強み×脅威 です。
強み×機会によって、求めるターゲットに対して自社の競争優位性を訴求できます。
また 強み × 脅威 では、競合や市場における脅威を逆手に取り、強みとなる差別化ポイントを抽出することが可能です。


フォロー体制を整えましょう
内定者の辞退や早期辞職を防ぐために、応募者や新人への支援体制を整えましょう。
就職に関する疑問や不安を解消し、入社後のイメージを伝えることがオススメです。
入社後の人材育成も重要になります。社内イベントや研修を通じて新人をサポートし、馴染みやすい環境作りを目指しましょう。
内定後のフォローアップについては別のページで紹介しています!
ご興味ある方はこちらからご覧くださいませ。



まとめ
いかがだったでしょうか。
高卒採用戦略について前編・後編と2部構成で紹介いたしました。
良い採用は、偶然のヒットではなく“設計された伝わり方”から生まれます。3Cで対象と競合と自社の立ち位置を見極め、SWOTで素材を棚卸し、クロスSWOTで差別化の仮説を具体的な施策へ落とす。そして、合格の連絡から配属初期までの体験を丁寧につなぎ、先生・保護者・生徒の不安を計画的に解いていく。これらをKPIでモニタリングし、月次で微調整を重ねれば、「選ばれる理由」は自然と言語化され、翌年の採用はさらにやりやすくなります。

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